LEMエビデンス 学術レポート
LEMエビデンス
学術レポート
LEMの細菌感染防御作用
第58回日本細菌学会総会
Lentinus edodes Myceliaの水溶性抽出物[LEM]のマウス免疫に対する作用
松村、小野塚、中野、他:自治医大(微)、野田食菌
マウスの腹腔滲出細胞よりM∅を集め、LEMのエタノール沈殿画分LAPを加えて培養した。LAP10または100μg/mlを加えて培養した上清には、LPS(陽性対照)を加えて培養したM∅の上清と同様に高いLAF活性即ちレベルのIK-1を産生することが明らかになった。また、M∅に対する作用として走化性をBoyden chambeerを用いて調べた結果、陽性対照として加えた大腸菌培養上清と同様に、LAP100μg/mlで強い走化性が認められた。
LEMの細菌感染防御作用
第58回日本細菌学会総会
Lentinus edodes Mycelia水溶性抽出物[LEM]のマウス免疫に対する作用
松村、小野塚、中野、他:自治医大(微)、野田食菌
各種細菌によるマウスの実験的感染症におけるLEMの効果を検討した結果、LEMを前投与されたマウスは各種細菌の攻撃に抵抗性を示し、生体内の細菌能が顕著に増強され、動物の延命効果も認められた。これらのことからLEMには最近等の異物排除、殺菌を担当する免疫細胞を著しく活性化することが示された。
②第12回癌免疫外科研究会
Lentinus edodes Mycelia(LEM)の経口投与による肝転移抑制効果
森永、田沢、村口、藤巻、他:富山医薬大 (2外) (細菌免疫)
大腸癌一般的に肝転移を起こしやすいことから、大腸癌原発巣切除後の微小転移を予防するため、実験動物を用いて肝転移モデルを作成し、悪性腫瘍の肝転移について検討した。
ラットでは腹水肝癌細胞AH-60Cを門脈内から摂取した。マウスでは肝に特異的に親和性の高いRL♂1を尾静脈から摂取して、肝転移モデルを作成した。LEMは300mg/kgを腫瘍接種前あるいは接種後10日間連続して経口投与し、21日後に肝転移コロニー数を測定した。
その結果、肝転移数は、ラット、マウスいずれもLEMの経口投与で有意に減少した。肝転移率はマウスにおいて有意な減少を認めた。
ラットにおける肝転移 | |||
群 | 動物数 | 転移数 | 転移率 |
対 照 | 8 | 94.6±12.4 | 100(8/8) |
前処理 | 10 | 22.7±6.8 | 100(10/10) |
後処理 | 8 | 27.8±6.8 |
マウスにおける肝転移 | |||
群 | 動物数 | 転移数 | 転移率 |
対 照 | 20 | 6.2±1.6 | 100(20/20) |
前処理 | 10 | 1.1±0.4 | 50(5/10) |
後処理 | 10 | 1.2±0.6 | 40(4/10) |
マウス:RL♂1細胞を103個、6週令BALB/Cマウスの尾静脈に接種
②第53回日本癌学会総会
in vivoにおけるPSK、LEM経口投与による肝転移抑制効果と肝、脾臓内I L-1βm-RNAの発現について
森永、田沢、村口、藤巻、他:富山医薬大 (2外) (細菌免疫)
悪性腫瘍の肝転移モデル実験等の結果から、LEMの経口投与は肝転移を抑制し、肝臓のNK及びMφ活性を増強することが分った。そこで、肝臓及び脾臓にNK及びMφを誘導するサイトカインが存在するかどうか、また、NK及びMφによって誘導されるサイトカインが存在するかどうかについて、in vivoにおいてRT-PCR法を用いてI L-1βの出現に重点を置き検討した。マウスに対しLEMを1000mg/kg経口投与すると、投与2〜6時間後の肝及び脾臓のI L-1βのレベルが急上昇した。このことは、LEMの投与後直ちに肝NK又はMφが活性化されI L-1βが高められる、又はLEMが肝MφによるI L-1β産生を促進し産生されたI L-1βが肝NK又は肝Mφ(クッパー細胞)を活性化する、の2つの可能性が考えられる。生体内でのこれらの検討結果から、LEMによる肝及び脾臓中のI L-1βの増強が大腸癌の微小肝移植を初期段階で抑制することを示唆している。
LEMは腫瘍を移植した動物の腫瘍増殖を抑制し、生存率を上昇させ、生存期間を延長させる
日本薬学会第103年会
椎茸菌糸体培養物より得られたアルコール不溶画分、LAP1の抗腫瘍性について
菅野、長治、他:富山医薬大 (薬)、野田食菌
腹水肝癌細胞AH414をラットに腹腔に以北し、LEMまたはそのエタノール分画品を投与し、腹水中に細胞数、動物の生存率、膵臓中のM∅、MIF活性について調査した。
その結果、腹水中の肝癌細胞数はLEM投与で50%いかに抑制され、腹水中には多数のリンパ球および単核細胞が出現した。また、がん細胞の変形、疑集、内容物の吐出などの現象が観察された。
LAP1を東洋カプセルよっした動物の生存率は上昇したが、指摘投与量が見られた。担癌ラットにLAP1を投与し、経日的にラットの脾臓を摘出してMIF活性を測定した結果、がん細胞移植後の早い時期にMAF活性が上昇した。
LEMの投与量 | 腹水中の肝癌細胞数(×107/ml) | 増殖率(%) |
0 | 16.8 | 100 |
50mg | 8.8 | 52 |
100mg | 3.7 | 22 |
LEMは子宮体癌の術後患者の再発を抑制する
第6回日本補完・代替医療学会
LEMの投与による子宮体癌術後再発防止効果についての検討
小濱 隆文: 恵寿総合病院 (産婦)
子宮体癌患者13例(年齢61.2±11.4歳)に対し広母汎子宮全摘出後、carboplantin+endoxan+adria-mycinをmonthly投与法にて3クール施行した。
LEMを術後2週間目より1日6g(3g×2回)22.5±13.5ヶ月感投与し、退院後は、膣断端部スメア、腫瘍マーカー、超音波およびCTスキャンにて再発の有無を2ヶ月おきに、さらに再発兆候が認められた際には、1ヶ月ごとに確認した。
その結果、12例においては再発兆候は認められなかった。また1例は退院3ヶ月後にCA-19-9が上昇したが、LEM投与を1日9g/日(3g×3回)に増量したところ、再び下降し始めた。
以上の結果から、LEMは子宮体癌の術後患者に対し、再発抑制効果を有するものと考えられた。
LEMによるK562細胞への増殖抑制作用
日本薬学会第138年会
小早川 幸子、久保田 真、飯塚 博
LEMによる細胞増殖抑制の作用機序解明を目的とし、K562細胞に対する解析をおこなった。その結果、LEM及び粗画分であるmL361610は細胞の増殖を抑制し、また、イマニチブに対して耐性を獲得したK562細胞であっても細胞増殖抑制効果を示した。細胞増殖のブレーキ役であり、がんの悪性度や予後にも相関がある細胞周期制御因子p27kip1について解析を行った結果、p27kip1のT198リン酸化を抑制し、細胞内量を増加させることが明らかになった。以上のことから、LEMの細胞増殖抑制メカニズムの一つはp27kip1リン酸化抑制による細胞内p27kip1の蓄積を促し、細胞周期信仰の停止によるものと考えられる。